#21 嫌われる勇気
「嫌われる勇気」という本を読みました。
よくある「上に立つ人間は嫌われろ」というようなリーダー論の本ではありません。
オーストリア出身の精神科医、心理学者である「アルフレッド・アドラー」の名前をとった「アドラー心理学」と呼ばれる心理学についてのお話です。
内容に関してもある一人の哲人とある青年の対話式の内容になっているため比較的読みやすかったです。
さて、アドラー心理学の特徴として、
「すべての悩みは対人関係の悩みである」とした上で、フロイト的な原因論を根底から覆す「目的論」の立場をとることです。
「子どものころに虐待を受けたから、社会でうまくやっていけない」となりますが、
アドラー的な目的論で考えた場合、
「社会に出て他者と関係を築きたくないから、子どものころに虐待を受けた記憶を持ち出す」となります。
つまりアドラーによれば、人の過去の「原因」によって突き動かされるのではなく、今の「目的」に沿って生きている。ということになります。
こうして、過去のトラウマを否定するアドラーは、人生(生き方)とはいつでも選択可能なものであり、過去にどんなつらいことがあったとしても、これからどう生きるかには関係がない、と唱えました。
人は変われないのではなく、ただ「変わらない」という決心を下しているに過ぎない。
いま、幸せを実感できない人に足りないのは、能力でもないし、お金でもないし、恵まれた環境でもない。変わること(幸せになること)に伴う「勇気」が足りない。とアドラーは主張しています。
そのシンプルにして深淵な思想は「勇気の心理学」とも呼ばれています。
ざっくりですが、こんな感じの内容が「哲人」と「青年」の対話としてされています。
読んでいて「なるほどなぁ」「確かにそうだよなぁ」と共感できる部分が多く、すいすい読むことができました。
僕個人の考え方としても、「トラウマ」を引っぱり出してくることに関しては何か「言い訳」染みている様にも感じていました。
もちろん、人によってその「トラウマ」が原因で何も出来ない方はいるかと思いますが、全員が全員そういうわけではなく、そこで「変わる勇気」を持っている人は変われますし、「勇気」がなければ変われません。
やはり何事も「変わる勇気」を持っている方は成功していると僕は思います。
この仕事をしていても感じる部分はあります。
「〇〇メソッド」「〇〇理論」など昔から言われているいろいろな理論や方法があると思いますが、それだけにこだわり続けてこの仕事をしていてもどこかで頭打ちになります。
「俺のやり方はこれだから」みたいな感じで何も変えないでいると、何も変わりませんし、クライアントやチームにとってもよくないと思います。
「今のやり方じゃ限界が来るかもしれない、そのためにももっといろいろな側面からのアプローチを勉強しよう」といった形で、今自分の持っている「型」を破る、もしくは変えていくなどをして、これまでと違ったことを取り入れることができている方々が今、この業界でも最前線にいると思っています。
アドラーの「勇気」とは変わってきてしまっているかもしれませんが、「変わる勇気」というのはこういったことにも当てはまるのではないと思っています。
セミナー参加なんかもその一つですよね。
知らない人ばかりがいる場所に足を運ぶ。これも勇気がいります。
でも参加してしまえばたくさんの話が聞けますし、たくさんの方とも繋がれます。
そんな「勇気」を僕は持ち続けてトレーナーとして成長して出来ればなぁ。と思います。
ちょっと最後は趣旨がずれたかもしれませんが、こんな感じです。
それと、この「嫌われる勇気」の続編として「幸せになる勇気」という本もあるので時間がある時にまたそれも紹介したいと思います。
あ、一番大事な「嫌われる」理由を説明していなかったですね。
それは許してください。
以上