#39 科学に基づくフライボール打法
最近野球界で良く聞く「フライボール革命」
これに関しての本を最近読みました。
そして自分自身でもなんとなく実践をしています。
さて、その「フライボール革命」に関してなのですが、これはざっくり言えば
「ゴロよりもフライの方が打率も上がるしホームランも打てる」
という考え方になります。
そして、この「フライボール革命」が起こった背景には、高性能の解析システム「スタットキャスト」の登場があります。
この「スタットキャスト」はボールの回転数や回転軸、変化量、打球速度と発射角度、飛距離、打球の落下位置や滞空時間、守備者の打球までの移動距離と走った速度、落下地点までのルートの効率性、野手のスローイングの速度などがあります。
これを知ることで今まで選手や指導者、解説者たちの「主観的」な表現をより「客観的」に表現することが出来るようにもなります。
スタットキャストによって得られたデータとして以下のものがあります。
Fly Ball = 打率.241、長打率.715
Ground Ball = 打率.238、長打率.258
長打率はもちろんですが、「打率もゴロよりもフライの方が良い」ということが判明しています。
また実際の数字でも、
・ゴロを打って安打になる確率は25%ですが、外野フライなら27%
・長打になる確率はゴロだと2%ですが外野フライなら23%
・本塁打になる確率はゴロだと0%ですが外野フライなら18%
という数字も出ているためメジャーリーガーの打者たちはフライの有効性を実感して、内野手、外野手の頭を超えるようなフライを狙うようになりました。
現在、メジャーリーグで打球をより遠くに飛ばせる選手やホームランを量産できる選手のバッティングについて、バットとボールが当たって飛び出していくときの「打球速度(初速)」と「打球角度(発射角)」を組み合わせて分析した結果、打者が好成績を上げているスイートスポット=「バレルゾーン(Barrel Zone)」を発見しました。
まずバレルゾーンの最低条件として打球速度が158キロ以上であるこです。
打球がちょうど158キロだった場合、打球角度は26~30度で打てばバレルゾーンに入った角度とみなされます。
このバレルゾーンでの打球結果は、
打率.822 長打率2.386 (すべての打席を平均して2塁打以上)
という驚愕の数字が導き出されます。
なお、打球速度が上がれば上がるほど打球角度の条件は広がり、100マイル(約161キロ)を超えた打球の場合、打球が1マイル(約1.609キロ)上がれば打球角度の幅も2~3度ずつ上がるそうです。
打球速度を上げ、尚且つバレルゾーンの打球角度の範囲内で打つことが好成績に結び付くということです。
そして、158キロ以上の打球速度を出すためには最低でも128キロ以上のスイングスピードがが必要になるとのことです。
さらにバレルゾーン(発射角26~30度)にするにはどうすれば良いかというと、ボールのど真ん中(芯)から6ミリ下を約19度上向きの軌道で衝突させることが必要になります。
まとめると、、、
バレルゾーンで打つためには地面から約19度上向きのアッパースイングを行い、尚且つ128キロ以上のスイングスピードを出しながらボールの芯から6ミリ下をバットの芯で強く叩いて158キロ以上の打球速度を出すことが求められる。
ということになります。
などなど目から鱗の様な内容が分かりやすく書いてあります。
僕自身は長距離打者と言うよりはどちらかと言えば中距離打者ですので、そんなタイプの選手は「19度上向き」ではなく「5~10度上向きアッパースイング」の軌道が理想とされています。
僕は選手を引退しているのであれですが、まずは中距離打者としての「5~10度上向きアッパースイング」を実践していきながら長距離打者の「19度上向きアッパースイング」を実践していきます。
ちなみに今日、帯同している大学野球部の練習が終わった後にロングティーをさせてもらったのですが、硬式球で木製バットだとある程度ボールに回転をかけるためにボールの下を打たないと全然飛びませんでした。逆にそこを狙って打てばそこまで大きな力を必要とせずにボールは勝手に伸びて遠く飛んでくれるというの実感することが出来ました。あとはそこに入れるだけの技術があるかですね。
ボールの回転数は4000回転以上、骨格筋量は65㎏以上など様々な条件はありますが、データに基づいた数字で非常に説得力があり実践してみようという気になりますし、結果を残している選手はこういったものを意識して日々の練習をしていますので、自分の身体を実験台にしながらいろいろ試したいと思います。
最近、改めて野球にドはまりになっています。
以上