#44 感覚器について
以前、神経系の生理について書かせてもらいましたが、今回は「感覚器」について書いていきたいと思います。
さて、「感覚器」とは何かというと、動物の体を構成する器官のうち、何らかの物理的または化学的刺激を受け取る受容器として働く器官の事をいいます。
ちなみに「感覚」というのは環境の変化、刺激を「感覚装置」を用いて感知することを言います。
この「感覚装置」というのは、①受容器(神経終末)②感覚神経線維(上行性伝導路)③脳(大脳皮質感覚領野)の3つの要素を指します。
感覚の起こり方として、
(適)刺激 → 受容器 → 求心性神経 → 中枢神経
という流れになります。
そして、感覚の種類として以下の3つがあるとされています。
体性感覚:触覚、圧覚、温覚などの皮膚感覚(表面感覚)、深部感覚など
特殊感覚:視覚、味覚、嗅覚、聴覚、平衡感覚など
内臓感覚:内臓痛覚、臓器感覚など
刺激を受ける身体の場所を目安にした分類として、
・視覚=目(網膜) 聴覚:耳(コルチ器官) 平衡感覚:耳(前提、半規管)
・嗅覚:鼻(嗅上皮) 味覚:舌(味蕾)
・皮膚感覚(表面感覚):皮膚 深部・固有感覚:筋、腱、関節
・臓器感覚:内臓
というように分類されます。
僕の様にトレーナーと呼ばれる運動指導者は人の体なのである程度のことは把握していなければなりません。
その中で最近のトピックスとして「体性感覚」というのが注目を集めています。
体性感覚とは皮膚感覚と深部感覚を合わせてそう呼びます。
■皮膚感覚とは
皮膚は体表を覆い、身体を物理的に保護していますが、生体防御機能も発達しています、皮膚とそれに接する粘膜の刺激によって感じる刺激を皮膚感覚と呼び、皮膚には神経終末が多く分布しています。
この「皮膚感覚」とは触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚など、主に皮膚から存在する受容細胞によって受容され、体表面で知覚される皮膚や粘膜からの感覚の事です。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、その中に触圧覚を受ける機械的受容器、温度受容器、痛みを感知する侵害受容器が存在します。
皮膚の機械的受容器…メルケル小体、マイスナー小体、ルフィニ終末、パチニ小体、毛包受容体
温受容器と冷受容器…自由神経終末
痛覚を引き起こす侵害受容器…自由神経終末
感覚受容器の役割
自由神経終末:温覚、冷覚、痛覚 = 感覚神経の末端
マイスネル小体/クラウゼ小体:触覚 = 真皮乳頭、下や外陰部
ルフィニ小体/パチニ小体:圧覚 = 指や足裏、皮膚伸縮の受容器
メルケル小体:触覚、圧覚 = 口腔
■深部感覚とは
筋、腱、靭帯、骨膜、および関節などから伝えられる位置、振動、関節の運動などの情報のことを深部感覚と呼びます。
受容器には筋紡錘、腱紡錘、ルフィニ小体、パチニ小体があり、主に関節の位置や運動の検出に役立つのは骨格筋の感覚受容器になります。
運動感覚(位置感、運動感、抵抗感、重量感):筋紡錘、腱紡錘、ゴルジ腱器官、関節包のルフィニ小体
振動感覚:パチニ小体
深部感覚:C線維、自由神経終末、持続的鈍痛、筋痛、頭痛
■大事なことは知っておくこと、考えること
上手にまとめることが出来なかったです。(笑)
自分の中での理解が浅いのでしょうね。でも大事なことはやること!と自分に言い聞かせています。
さて、感覚器に関して書きましたが、自分の中で何をしたかったかというと、マッサージなどをして体の状態が良くなるのは身体の中でどのような反応が起きているのかを知りたかったことです。
腰が痛い人の腰を押すと痛みが楽になりますね。炎症が出ているのであれば逆に刺激を加えることは良くないことです。でも、楽になりますよね?これってなんでだろう?とふと考えることがありまして、いろいろな人の話を聞いていると「入力(感覚)を変えてあげている」ということでした。「?」が出てきますよね。
僕も良く分かりませんでした。ただ身体の中では「押される」ことで様々な反応が起きています。その中で「圧刺激を感知する器官は?」など知っておく必要はありますよね?
そいういう感覚を受け取る受容器が多く集まっている部位があるということは、そこは痛めやすい場所、敏感になりやすい場所とも考えられます。
そして、その入力の変え方はそれぞれですね。「マッサージで押してあげる」「ストレッチをしてあげる」「手でさすってあげる」←びっくりすることにこれだけでも痛みがなくなることもあるんです。
人間の身体って不思議ですよね。痛みを取り除くための手段としてマッサージや運動がありますが、その人の体には今何が必要なのかをしっかりと見極めて刺激をいれてあげることは非常に大事なことですよね。
そのためにも身体の構造を知り、起きている反応を知る必要があります。
基本的なことですが、おろそかになりやすい部分でもあるのでそういった部分を大事にして自分自身もっと勉強をしたいと思います。
まだまだこれから頑張ろう。
以上