#56 オンラインセミナー
新型コロナウイルスの影響で対面式のセミナーの開催が自粛され、オンラインセミナーがこの時期主流となっています。
僕も先週と今週でオンラインセミナーを受講しました。内容に関しては新しい知識を取り入れるためのセミナーというよりは週替わりで講師の先生が変わり、自身のチームでのトレーナー活動の説明や取り組みなどを共有する内容となっています。
先週はラグビーW杯、日本代表S&Cコーチの話で今週はJリーグや高校サッカーチームのトレーナーとして活動している方の話を聞きました。
チームにおけるコンディショニングプログラムの計画、実際のコンディショニングプログラムの紹介、データ収集の仕方などチームスポーツを見ていく上で当たり前のことではありますが、非常に重要な内容となっていました。
KGIとKPI、Sub KPI
まず、チームの達成目標を知る。(KGI)
あくまでもコンディショニング目標ではなく、チーム目標
=インターハイ出場、甲子園出場など
そして、その目標を達成するために必要な項目を設定する(KPI)
=フィットネス、パフォーマンス向上、傷害予防 ※具体的に!
目標達成するための施策(Sub KPI)
=ストレングストレーニング、負荷管理(GPS/RPE)、リカバリー戦略、プリベンションプログラム(障害予防プログラム)
トレーニング計画を立てる上でまずはこれらを明確にする必要があります。
トレーニングだけでなく会社経営、組織運営をする上でも非常に大事でビジネスの基本となっていることかと思います。
首脳陣(監督・コーチ)・チームとトレーナーのGAPを無くす
■チームの目標(ゴール)に対して我々トレーナーが何が出来るかを明確にする!
※傷害数の減少、筋力強化(1RM向上)、スポーツ動作改善など
■チームに我々が求められていることを知る!
※怪我をしない体作り、筋力強化、スポーツ動作改善など
チームに求められていることと、トレーナーができることは必ずしも一致するとは限りません。
ただ、トレーナーは「何でも屋」みたいに見られることが多いです。
そのため、チームから求められることは自分の範囲外の場合もあります。
ATだけどウエイトトレーニングなどのSC業務、SCだけどリハビリなどのAT業務を期待される場合も良くあります。ただ、我々トレーナーの業務も「ATはAT業務!」「SCはSC業務だけ!」となってしまって自身の幅を狭くしてしまいますし、現在のトレーナー業界でも「職種ごとの役割を広げていく」という方向にシフトしてきています。
あくまでも「ATだけれどもSC業務もできるトレーナー」「SCだけどAT業務できるコーチ」とメインの役割に「+1」があるという強みを持つことが大事かと思います。
話はズレましたが「求められていること」と、「できること」のギャップがあることでチームから正当な評価をしてもらえない、自分自身の強みを発揮することができないといった負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。そうならないためには、
①どっちもできるように勉強する。
=とにかくチーム・選手から求められることに答えようと努力することですね。やることはかなり増えて自身がパンクしてしまう可能性もありますが、自分が成長するためにも大事なことかと思います。
②できないことは、できないと伝える。
=正直に自分の専門範囲外ということを伝える。その上で自分がチームに貢献できることを伝えてそこで勝負をする。もしくはできない部分に関してはそのプロフェッショナルにお願いをする。(分業)
①②どちらも大事です。理想はAT、SC、パフォーマンスコーチ、分析家など各専門のスタッフがいることですが、金銭面的に余裕のないチームは難しいため実際は一人ですべての業務を抱え込むことが多いです。
ここは難しい所ですが、トレーナーである以上チームの期待に応えるために自分の専門以外の部分にもチャレンジをして欲しいと僕個人は考えています。
最後に話はズレてしまいましたが、チームスポーツを見ていく上で
●そのチームの目標を明確にする(チーム目標)
●そのために何ができるかを具体的にする(コンディショニング目標)
●具体的な取り組みを決める(実施内容)
●チームとトレーナーとのギャップを埋めるために、コミュニケーションを密に取る。
文字に起こしてみると当たり前のことですが、当たり前のことを当たり前にすることが結果に繋がります。
そして結果を出している方は当たり前のことを当たり前にできている。
当たり前のことができなくなってくると、そこから徐々に崩れていく。
当たり前を大事に。
以上
#55 ピッチングデザイン
休業中の読書第2弾として「ピッチングデザイン」を読みました。
「セイバーメトリクスの落とし穴」の著者である「お股ニキ」さんが書いた本になります。
この本は「セイバーメトリクスの落とし穴」に書いてあることと内容が被る部分はありますが、より「ピッチング」に特化した内容になっています。
「セイバーメトリクスの落とし穴」と同様に目から鱗の情報がたくさんあり、これまでの常識が覆されるようなことも多々ありました。
「ピッチトンネル」について
なんとくTwitterなどのSNSで見かけていたこの言葉。この本を読むまではいったい何のことを言っていたのか全く分かりませんでした。
さて、この「ピッチトンネル」とは何のことかと言うと、ピッチャーのリリース位置からホームプレートまでの約7.2メートルの空間上にある、投手の投げたボールが通る仮想のトンネル(円)のことで、ボールが同じ場所に集まるほど小さくなります。
「ピッチトンネルが小さく、そこからボールが様々な方向へ変化していくほど打者はボールを見極めづらくなる」と言われています。
ただ、ピッチトンネルは絶対的なものではないため「なるべくトンネルを構成しつつ、打者の意表を突く」「トンネルを外れても変化量が上回れば良い」という単純な話もあります。
「エクステンション」とは?
これはこの本を読んで初めて知った言葉です。
「エクステンション」とはボールリリース時のピッチャープレートからリリース位置までの距離のことを指します。
「球持ちの良さ」「どれだけ打者寄り(前方)でボールをリリースできているか」の指標になります。
昔から「球持ちがよく、打者寄りでリリースできる」ほど、体感速度は上がり、実際のプロの一流投手の体感スピードが速く感じる投手は打者寄りのリリースが出来ています。
ただ、打者寄りでリリースするために無理に歩幅を広げようとしたり、腕を前に出そうとしたりすることでフォームが崩れたり、エクステンションが長くなりすぎてもボールの威力が低下してしまうため、身体のバランスを保ちながらなるべく前方でリリースできるような投球を目指した方が良いといえます。
効率よく力を伝えられれば結果としてエクステンションを広がりボールの威力や球速も上がるかと思われます。
「ミートポイントと打球の関係」
投球以外でも、こんなことが書かれていました。
メジャーの打者の平均的なミートポイントの傾向とホームラン、ライナー、ゴロとの関係性について以下のようになっています。
■ホームラン(フライ)…ホームベースの前よりも約22~45センチ前の範囲。特に約22~30センチ前が最も打球速度が速いようだ。
■ライナー…ホームベースの前のラインよりも7.5センチ前から、約22.5センチ
後ろまでの範囲。
■ゴロ…ホームベースの前のラインから約15~45センチ後ろの範囲
この統計を見ると「ボールはより前でとらえれば安打になりやすい」と言えます。
よく聞く言葉として「ボールをよく見て、ギリギリまで引き付けて打て」とか「メジャーリーガーはスイングが速いから引きつけて打っても飛ぶ」などがありますが、実際はホームランを打つときは前でとらえていますし、差し込まれた時にはゴロになりやすいとなっていますね。
あくまでも「意識」として「引きつけて打つ」ということですね。
データから導かれる現実
これまで紹介したもの以外にもたくさんのデータが本には載っています。
今まで当たり前に言われていたことの「なぜ(Why)?」を、蓄積されてきたデータを基に紐解いてくれたりと非常に納得できる内容でした。
かなりマニアックな内容でピッチャー寄りの内容ではありますが、トレーナーとしてはいろいろと選手と会話する時の話のネタとしては良い物ばかりでした。
「フロント・ドア」「バック・ドア」「バック・フット」などの使い方なんかもピッチングの幅を広げる上では大事になりますね。これはプロだから出来る!ではなく、アマチュアでも同様に使っていけばよりピッチングの幅は広がってきます。
僕はトレーナーなので技術的な部分の指導はあまりしませんが、身体の使い方の指導などはしていきます。その中でピッチトンネルの概念などは「意識」として持たせるのは非常に面白いと思いました。
僕自身もキャッチボールする時なんか意識してやってみたいと思います。
特にボールの回転なんか意識してみたいな。
以上
#54 セイバーメトリクスの落とし穴 マネーボールを超える野球論
新型コロナウイルスの影響で休業状態が続き、ほぼ家に引きこもり状態となっています。
この状態がいつまで続くのが不安で仕方ないです。そして、僕の雇用はいつまで守られるのかも不安です。
C-HRに乗り換えて、たくさんいろんな所に旅行に行くという野望を持っているのですがそれも叶うのかもわかりません。
とにかく今は出来ることをやるしかありませんね。
ということで、この休業期間はたくさんの読書をしていきます。
専門書はもちろん、それ以外にも趣味で野球関連の本も読んだりしています。
そのうちの一冊がお股ニキさんの書いた「セイバーメトリクスの落とし穴」です。
セイバーメトリクスとは、野球においてデータ統計学的知見から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析方法を指します。
ここ数年野球界では言われる「フライボール革命(FBR)」も、このセイバーメトリクスから生まれたものになります。
この本ではセイバーメトリクスで得られたデータを基に著者が様々な視点から野球を見ていく本になります。
読んだ率直な感想は「すごい!」の一言でした。
何がすごいのかというと今の野球にはたくさんのデータがあるということです。
「OPS」(=出塁率+長打率)や、「K/BB」「BABIP」「ピッチバリュー」など今まで聞いたことのないような言葉がたくさん出てきていました。
また、変化球に関してはかなり深く書いてあり、ストレートも変化球の一つというのは目から鱗の考え方でした。
やはり野球は8割ピッチャーということもあり、ほとんどピッチャーのデータが占めていましたが、そのピッチャーを支えるキャッチャーに関しても記載されていました。
キャッチャーに必要な5ツールとして
・バッティング
・フレーミング(キャッチング)
・ブロッキング(後逸しない)
・スローイング(盗塁阻止)
・野球IQ
があげられ、これが優れているキャッチャーはNPB、MLB問わず活躍をしています。
そして、日本人メジャーリーガーのダルビッシュや田中将大が活躍で来ている理由、MLB最強投手のシャーザーやデグロムがなぜ活躍し続けられるのかなどをピッチングデータから紐解いているのは非常に分かりやすかったです。
本にも書いてあった通り野球はイタチゴッコが続くスポーツです。
打者のレベルが上がれば、投手は打たれないように工夫をします。ストレートの質を上げたり、変化球の質を変えたりと。逆に投手のレベルがあがれば、打者は確実にとらえられるように工夫をします。スイングの軌道変えたり、配球を読んだりと。
このイタチゴッコが野球というスポーツのレベルを上げているのは間違いないですね。
そして、このレベルを上げていく要素の一つにセイバーメトリクスによるデータ分析なんでしょうね。
僕自身も野球をしていたんですが、ここまで深く考えて野球というスポーツを見たことがないのでとても新鮮な本でした。
データが全てではないのはよくわかっていますが、数字が見えるもというのは嘘をつかないので見逃せませんね。
この本に書いてあるデータを基に野球というスポーツを見ていくと、今まで以上に野球が深く、細かい部分まで見えてくると思いますので、プロ野球開幕までもう少し勉強しながら開幕を待ちたいと思います。
以上
#53 動作評価について考える
さて、本日研修で動作機能評価を行いました。
施設ではFMSをベースにした動作機能評価を行い、動作パターンを改善していくということを行っています。
不良動作パターンがある場合にはどこに問題があるのか?何に問題があるのか?などを日々見つけて改善のためのエクササイズや徒手的介入をしています。
ただし、あくまでも問題が起きている部位に関してはざっくり「胸椎・胸郭伸展回旋MD/MSCD」などと言った評価になり、「〇〇筋のタイトネス/ウィークネス」というより具体的にどの筋肉が機能していないのかまでは評価しきれていません。
そこで今回は後者の評価を行うための動作機能評価を実施しましたのでまとめたいと思います。
■なぜ動作評価が大事なのか?
そもそもなぜ動作評価が大事なのか?これってものすごく大事なことだと思います。なぜかというと人間は常に「動き」続けています。歩いたり、しゃがんだり、立ったり様々な動作をしています。
この日々の「動作」の中で誤った動きをし続けてしまうと、一つの部位ばかりに負担がかかり痛みに繋がってきてしまいます。そうなってしまうと日々の生活に支障をきたしてしまいます。
・楽しみにしている旅行に行けない。
・週末の草野球が出来ない。
など楽しみが奪われてしまいます。そういったことが起こらないように、また起きてしまっているならば原因は何なのかを知るために「動作」というものを入り口にして評価を行い、その人の身体を改善していくために「動作評価」が大事なってきます。
■オーバーヘッドスクワット(OHSQ)を例として
動作評価の一つとしてOHSQを一つの例として見ていきます。
OHSQは通常のスクワットと同様に足を肩幅に広げて、両手をバンザイします。
その状態でスムーズにスクワット動作を行うという、非常にシンプルな動きになります。ただし、このOHSQを行う時に注意して見てほしいのが「代償動作」が出ていないかになります。
OHSQにおいてよくみられる代償動作として
・肘関節屈曲、肩関節外転
・骨盤後傾
・Knee front
・腰椎伸展
これらが見られます。あくまでもまずはこの上の5つの代償動作が起きていないかをみることになります。最初の段階では「現象(代償動作)」を捉えます。まだこの段階では原因は分かりませんので。
例えば「肘関節屈曲、肩関節外転」の代償が起きた場合には「上半身に問題があるな」と予測が出来ます。さらに考えていくと「広背筋・大胸筋・回旋腱板のタイトネス」「胸椎伸展Mobilityの低下」「肩甲骨周囲筋の機能低下」などが起きているのではないかと予測もついてきます。
あとは実際にそれらをチェックしていく評価を行い、どこに問題があるのかを見つけていくという流れになっていきます。
ただし、上半身でエラーが出ているから上半身だけに問題がある!みたいな見方にならずに、骨盤後傾が起きてしまって上半身にエラーが発生しているというケースも見られるので、全体をしっかりと評価して最初に介入しなければならない部位をしっかりと見つけてからアプローチをすることが大事になります。
■改めてやってみて
ちなみにこの評価に関しては入社してから最初の3~4年は使っていました。
でも、個人個人で代償動作を見抜ける人、見抜けない人がいるため、再現性に欠けることからもっと再現性のあるFMSを導入することになり、長らくこの評価から遠ざかっていました。
ただ、施設として再現性を求めることは非常に重要ですが、一人のトレーナーとしてこういった動作を見てエラーを見つけて、その原因を見つけてアプローチをする。という一連の流れは非常に重要だと思います。明確な基準がない分「アート」になってしまう部分はありますが、そこは専門家として伸ばさなければいけない部分ですね。
あとは、その評価結果を基にどういったプログラムを立案していくのかが腕の見せどころになります。
頑張っていきます。
以上
#52 サービスとおもてなし
最近は専門書ばかり読むことが多く、読み終えるのに時間がかかります。
ただ、この間大阪市内に用事があり、電車で片道1時間くらいの時間があったので専門書とは違う、「ディズニー おもてなしの神様が教えてくれたこと」という本を読みました。
往復2時間くらいでしたが、それでも全部読み終えるくらいの内容と量でしたので読みやすくかった。
読んだ感想でしたが、さすがディズニーの本!という内容でした。
トレーナーという仕事もサービス業の一つですので、参考になることがたくさんありました。
その中でも「サービス」と「おもてなし」の違いについて記載されていて、その違いが僕自身一番納得することが出来ました。
サービスとおもてなしの違いは?
正直、僕はまったく頭に思い浮かびませんでした。
ただ、この本に書いてあった違いがこちらです。
■サービス:相手に気付いてもらうことが前提の行動
例)料金を安くする、商品をおまけする、など
→気配りを受けている側が「得」していることを自覚できること
■おもてなし:表も裏もない気持ちで、見返りを求めない気配りをすること
例)左利きの人に食事を出す場合、箸を左向きに置く、など
→見返りを求めない自然的な発生的な行動
確かにサービスをしてもらうと「得」した気分になります。
(ちょっと安くしてもらったなぁ。など)
おもてなしをしてもらうと「幸せ」な気持ちになります。
(お見送りやマニュアルにないであろうことをしてもらった時。など)
これはとても納得が出来る内容で「サービス」だけでなく「おもてなし」もできるようにならないとサービス業を仕事して行っていくのであれば必要だと感じました。
ただ、どちらも相手のために気を配って尽くすことには変わりはありませんが、気付いてもらいたい気持ちが前面に出てしまうと、ありがた迷惑と感じられてしまいます。
このあたりの線引きはその人自身の感性になってくるかと思います。
洋服店とかでも必要以上に声をかけられたりすると、買い物をすることが楽しく感じなくなることもあります。それと同じで良い距離感を保ちつつ、相手が本当に自分を必要としてくれるタイミングで声をかけることが大事になります。
僕たちトレーナーの仕事も同じですね。
必要以上に教えすぎない。
クライアント自身が自分で理解し、気付くように良いタイミングで声をかけてあげることが大事です。
あとはいかにクライアントが施設を利用しやすい環境を作るか。当たり前ですが館内美化の徹底であったり、トレーニング器具を使用しやすい場所に置くなど様々なことができます。
サービスをしないといけない時はあるかと思いますが、そればかりではなく「おもてなし」もしっかりと行い相手に「幸福感(ハピネス)」を感じてもらえるように日々の業務に臨んでいきます。
以上
#51 夏の近畿大会に向けて
時間の経過とともに頭の中が整理されてきています。
また、今感じていることや考えていることは文章にまとめておくことは、考えを整理するためにも大事な作業になります。
スピード感を持ってまとめて実務に繋げていきたいと思って文章にまとめています。
③夏の近畿大会に向けて
大会終了後のコンディショニングスケジュールの打ち合わせのために先生にトレーニングのレクチャーを行いました。
そこで選手のモチベーションについても聞いたのですが、キャプテンから「練習前にMTGの時間もらって良いですか?」とあったそうです。悔しい思いをしましたが、次に向けてしっかりと前を向いているんだな。と感じました。自分たちの現状の課題を抽出し、何をしないといけないのかを選手たちで考えて練習を行う。理想的だと感じますし、こういうチームは絶対に強くなると思います。
さて、トレーニングに関しては、まず7月の3年生にとって一番大きな大会に向けてになります。
まずは改めて基礎的なモビリティ、スタビリティの獲得、機能的動作の獲得を中心に進めていきます。4月から1年生も合流するため、改め基礎から固め直していきます。
また、レジスタンストレーニングも軽負荷・高回数で実施し負荷をかけていきます。
まずは5月くらいまではしっかりと負荷をかけながらも動作を正しく遂行できるかにフォーカスして筋発揮を促していきます。
その後は俗にいう爆発的、瞬発的な動きにシフトをしていきます。獲得した筋をかいに素早く爆発的に発揮するかが、競技に直結してくるためです。重りを持ってのジャンプや地面を強く押し返す動きの実施であったり、ショートダッシュ、切り返しの動きなどより素早い動きに転換をしていきます。
その後は強度は維持しながら量を減らして、7月の大会に臨んでいくような形のスケジュールを組んでいます。
トレーニングスケジュールもなかなか思う様に進みませんが、大事なことはその都度その都度で修正、改善を行っていくことです。すべて計画通りに進むことはないのでその時のチーム状況などをしっかりと見た上で、何が最適なのかを見極めることが重要です。特に学生スポーツだと常駐することが難しいため、顧問の先生と連携を取りながらチームの状況をヒアリングし、どうしたら良いかを話し合いながら進めていくことが一番お勧めです。
チームはしっかりと前を向き次に向かっているようで安心しています。
これが一過性のものではなく、最後までやり切って欲しいですね。そしてそれをみた後輩たちがそういった文化を引き継いで強いチーム作りをしてくれれば何も言うことはありません。目先の勝利だけでなく選手の将来を考えた指導というのも、学生スポーツにおいては重要なポイントになるかと思います。
選手がいかに主体性を持って取り組むことができる環境を作るのも、指導者の役割でそれを後押ししてあげるの指導者。ここからチームが変わっていくのでしっかりとサポートを続けていきたいと思います。
以上
#50 心技体について
昨日の試合の敗北の悔しさと、先生と選手の落ち込み具合が頭から離れずにいます。
僕たちトレーナーが出来ることは試合に向けて、ベストコンディションで試合に臨めるようにしていくことになります。
試合中の選手の動きが良くないのであれば「W-upが足りなかったか?」「テーピングンのテンションが強かった(弱かった)か?」「気持ちを上げきれなかった?」など様々なことを考えます。
負けたことの全責任をすべて背負うわけではありませんが、トレーナーとして何ができるか?というのは考えさせられます。
②心技体について
昔からスポーツは「心技体」と言われています。
僕もスポーツをしていた人間としてそれは強く感じます。
心…メンタル、勝ちたい、上手くなりたいという気持ち 等
技…そのスポーツにおける技術 等
体…スポーツ問わず求められる体力要素(筋力・柔軟性・持久力など) 等
いずれの要素が欠けていても相手には勝てませんし、個人競技であれば個人のみを上げていけば良いのですが、チームスポーツになるとチーム全体としての「心技体」を上げていかなければなりません。
この辺はチームスポーツの難しさかもしれません。
今回、うちのチームが負けた要因として、
心…過度の緊張(勝たないとというプレッシャー)
強豪私立ということで公立の学校に負けることできない、近畿大会に出場するというプレッシャーからなの思う様に足も動かないし、サーブミス、レシーブミスなどで点数を与えてしまっていました。慣れない試合会場での相手の応援などにも戸惑った部分はあるかと思います。相手チームに比べると試合中の笑顔も少なかったですし、楽しんでいる様子も見られなかったです。
技…サーブカットを返せなかった。サーブミスが目立った。
これは非常に目立っていました。サーブカットが出来ないと攻撃の起点も作れず相手に点数を与えてしまいます。また、苦手な選手は徹底的に狙われます。(勝負ですからね)そこから崩され流れに乗れなかった印象を受けました。
また、せっかく手に入れたサーブも決めきれず、相手に点を与え、流れを渡してしまっていました。特に試合開始1発目のサーブミスは非常に大きかったと思います。
やはり相手に流れを渡さないためにもサーブカットをしっかりとし、攻撃の起点を作る。そして、ボールをしぶとく繋いでなんとか取り切る。あとはサーブをしっかりと決めて流れを作っていくことがシンプルではありますが、大事なことだと感じました。
体…一歩目の動きの鈍さ、スパイクを決め切るための力不足
緊張からなのか足がほとんど動いていない印象でした。一歩目の反応が遅れて点数を与えてしまうことや連携がうまく取れずにミスが続きました。
この辺に関してはW-upの時点で一歩目のスタートを上げていくような内容のものをもう少し組み込んでいければと考えます。ボールを使ったリアクションなど。
あとはスパイクです。他のチームを見ているとバシッと決めることが出来る選手がいます。それも力強くです。それに関してはこちらが身体の使い方としてどのように伝え、トレーニングの中でうまく使えるようにしていくかが大事なポイントになります。
ここまでのトレーニング内容に関しては再考していくことが大事なのと、日々のトレーニングの際の声掛けなどは見直していく必要を感じました。
上記については自分なりに感じた内容になります。
「心」の部分は見ているだけでは正直分かりませんが、客観的に見て、相手チームと比較してそのように感じます。
トレーナーとしてコーチングを勉強している人間としては「根性論」で解決するのは良くないのですが、やっぱり「気持ち」が大事な部分は必ずあります。
同じくらいの相手であれば「気持ちが強い方が勝つ」のたくさん経験してきました。
一番難しい所にはなりますが、トレーニングで改善できる部分を改善して次に繋げていきたいと思います。
以上